戸籍の取得
相続税申告で必要となる戸籍等身分関係書類
集める書類の種類は次の通りです。
被相続人の除籍謄本
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(相続人確定のため)・・改製原戸籍
被相続人の住民票除票(被相続人最後の住所地確認のため)
相続人の戸籍謄本(相続人であり、その相続人の生存を確認するため)
相続人の住民票(相続人の住所地の確認のため)
相続人の印鑑証明書(遺産分割協議が必要な場合のみ)
戸籍が必要な理由
相続手続きでは、相続人が誰と誰なのか確認するために戸籍を収集します。
相続が開始したら、まず相続人調査をしなければなりません。
相続人が家族しかいないと分かっていても、戸籍は取る必要があります。
例えば再婚していて前妻との間に子供がいたとか、認知していた子がいれば、その子も相続人になります。他に相続人がいないことの証明のためにも、戸籍は必要です。
戸籍
現在のコンピュータ化された戸籍は戸籍全部事項証明書という名前が正式名称ですが、一般の呼び名は戸籍謄本です。相続手続きでは、この戸籍の「謄本」を提出します。戸籍謄本とは、戸籍の写しのことで、本籍地の役所で保管されています。一般の人は閲覧できません。
戸籍の種類は3つあります。
戸籍
除籍
改製原戸籍です。
戸籍は現在も有効な戸籍のことです。他の2種類の戸籍と区別するために、現在戸籍と呼ぶこともあります。
戸籍に入っている人が結婚、離婚、死亡などにより1人もいなくなった場合には、その戸籍は除籍簿となります。除籍になった戸籍も、150年間は役所で保存されるため、謄本の取得が可能です。
改製原戸籍(かいせいげんこせき)
役所では現戸籍(げんこせき)と発音が同じでまぎらわしいので、(はらこせき)と言っています。
戸籍の改製とは、戸籍法の改正に合わせて戸籍を新しい様式で作り変えることです。戸籍の改製が行われた場合、改製前の戸籍は有効ではなくなりますが、「改製原戸籍」として除籍と同様150年間保存されます。
相続手続きで主に必要になる改製原戸籍は、戦前の家制度から現在の家族制度に変更された際のもの(昭和原戸籍)と、戸籍がコンピュータ化された際のもの(平成改製原戸籍)の2つです。
被相続人の改製原戸籍を出生までさかのぼることによって・・つまり被相続人の両親が結婚したところまで遡ります。
戸籍取得の手数料
次の手数料がかかります。この手数料は全国共通です。
戸籍謄本 450円
除籍謄本、改製原戸籍謄本 750円
どこの市町村役場に依頼するか
被相続人の戸籍は新しいものから順に取得していきます。
まず、最後の住所地で住民票の除票を取ります。死亡などで住民基本台帳から除かれた住民票が除票です。相続手続きでは、被相続人の除票も必要になるため、まず本籍入りの除票を請求します。被相続人の本籍がわからない場合には、除票で確認ができます。
死亡届を役場に提出すると10日以内に本籍に亡くなった事実が記載されます。ですから除籍謄本は亡くなったときの本籍の役場になります。現在戸籍はコンピュータ化されていますので、本籍の変更がなくても複数の戸籍が同一の役場にあることが一般的です。昔の手書きの戸籍も含めその役場にあるすべての戸籍を取得します。
結婚や本籍を移し転籍した場合にはどこの市町村から転籍されたかが記載されていますので、前の市町村に連絡して順繰りに出生までたどっていくこととなります。ひとつ戸籍を取ってみないとその前の戸籍がどこの市町村にあるかわからないため、転籍を繰り返している場合には、この作業を複数回繰り返します。遠方の場合は通常郵送で対応します。
昔の改製原戸籍の種類
戸籍にはその作成された年代により種類が分かれており、
明治19年式戸籍(明治19年10月~明治31年7月までに作成されたもの)
明治31年式戸籍(明治31年7月~大正3年12月までに作成されたもの)
大正4年式戸籍(大正4年1月~昭和22年12月までに作成されたもの)
昭和23年式戸籍そして
現在のコンピュータ化された戸籍があります。
戸籍謄本の事項欄には、出生・婚姻等今までのその人の歴史が順に記載されています。
ただし、「○年○月○日出生」と記載されていても、その謄本が出生からのものであるとは
限りませんので注意しましょう。さらに古い戸籍を辿る必要があるのが一般的です。
戸籍謄本には必ず始まりと終わりがあります。戸籍の始まりのキーワードを探すことによって、
その戸籍謄本がいつからの分であるかを判断することができるようになります。
戸籍のキーワード
戸籍自体の始まりの主な要因には
・再製
・改製により新戸籍編製
・前戸主死亡により家督相続
・婚姻により編成
・子の出生により編成
・分家
・〇〇より転籍または〇〇から転籍
等がありますので、これらのキーワードを戸籍から読み取ってその戸籍の始まりや終わりを確認することとなります。
戸籍自体の始まりと終わりもありますが、個人で見た場合にはその戸籍で読み取ることのできる始まりと終わりは異なります。同じ戸籍を使用したとしても別々の方を見るときは期間の見方が異なりますので注意が必要です。
郵送手配するときの注意点
郵送で取得する場合には、予めその役場に必要書類等事前に電話で役場に確認すると良いでしょう。ネットで申請書を出力した上で、手数料相当分の定額小為替と返信用封筒に返信用切手を貼って同封します。手数料は現金書留で送ることも可能です。実際戸籍の取得を依頼してみないとその役場にある原戸籍の通数がわかりませんので、通数が多い場合は料金が不足する場合があります。
ご不明な場合は専門家に依頼することもできます。
当事務所では戸籍の収集も行っていますので、ご希望の方はお申し出ください。